顎が痛い、音がする、口を開けにくい(顎関節症)

成人の250人に1人が顎関節症(がくかんせつしょう)だと言われています。歯ぎしりや頬杖(ほおづえ)、左右のどちらか一方で噛む癖など生活習慣に関わる要因や、一時的な強い精神的ストレスなどにより、顎関節の軟骨にズレや変形がみられたり、顎の筋肉の緊張・損傷がみられたりします。
また、顎関節症は顎周辺だけでなく、頭痛やめまい、首・肩のコリ、手のシビレなどの関連症状を伴うこともあります。
さらに、顎関節症が原因で、歯と歯ぐきの境目付近が鋭利に欠けてしまい、歯がしみる「アブフラクション」という知覚過敏を引き起こす場合もあります。
治療法
スプリントと呼ばれる専用のマウスピースを作製してかみ合わせを正したり、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬(きんしかんやく)を処方したりします。大抵の症状は3~4ヶ月で約90%の方が改善しています。
ただし、単にマウスピースを作っただけでは症状は改善されません。口を開け閉めする起点となる、顎関節にある「関節円板」と呼ばれるクッションを正常な位置に戻してあげる必要があるからです。
そのためマウスピースの上に硬質レジン(白いプラスチック樹脂)を盛り、正しい位置関係へと促すと同時に、顔のストレッチにより顎周辺の筋肉を緩ませ、関節円板にかかるストレスを軽減していきます。(口腔外科)